トヨタアクア ツーリングパッケージ

ハイブリッド車紹介:トヨタアクア(3)

ツーリングパッケージの吉と凶

新型アクアの運動性能を飛躍的にアップさせるツーリングパッケージ。
内容はアクアG/Sに標準装備される175/65R15タイヤ+スチールホイールを16インチタイヤ+アルミホイールにインチアップするセットオプションです。

幅が20mm広い195/50R16サイズのヨコハマタイヤの静音設計タイヤdB(デシベル)を16×6Jの専用アルミホイールに組み合わせています。この高性能タイヤを履きこなすために専用チューンの特別なサスペンションが投入されています。エクステリアではルーフエンドに大型のルーフスポイラーを装着し、ヘッドライト回りにスモークエクステンションなどでメイクアップを施します。

このツーリングパッケージの効能は絶大で、Lで心許なかったハンドリングが圧倒的に正確になり、G/Sに与えられているクイックレシオのステアリングを思う存分使いこなす気分になります。また、専用にチューニングされたサスペンションのおかげでダンピングが効いた乗り味となり、シャキっとした好感の持てるドライブフィールに変化します。しかし、燃費は相応に悪化します。
加えて、このツーリングパッケージには重大な弱点があります。

諸元表によるとアクアの最小回転半径はグレードを問わず4.8mとなっていますが、G/Sの項には注意を促すアスタリスク(*)が添えられていて、欄外の小さな脚注には何と「ツーリングパッケージ(16インチタイヤ)を装着した場合、最小回転半径は5.7mとなります」と記載されています。全長4m未満の小さなアクアの最小回転半径は、同社の3ナンバーミニバン、エスティマと同じになってしまうのです。

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15インチタイヤのアクア、インチアップは出来ない

新型アクアに16インチタイヤを装着したツーリングパッケージ車は回転半径が大きくてエスティマと同じスペックだと前項で述べました。いわゆるアクア・ツーリング・パッケージの凶の部分です。
要するに15インチタイヤを装着するモデルと同じだけのステアリングの切れ角を2センチだけ幅が広い16インチ車に与えると、フロントメンバーに干渉するのです、間違いなく……。

つまり、小さくなったとはいえ、基本的に先代プリウスのハイブリッドシステムの改良型であるパワーユニットは、エンジンとモーターを直列にレイアウトしています。当然、パワーユニットの全長はエンジン+モーターの寸法ですのでエンジン単体のFF車ユニットに比べて長い! それを3ナンバーサイズの車幅を持っている先代プリウスよりも30mm狭い5ナンバーサイズのアクアにプリウスと同じく横置きに載せています。ここに無理が生じてきたわけですね。

現実問題として、16インチタイヤ&アルミホイールを装着したアクア・ツーリング・パッケージ車は、そのボディから想像できないほど小回りが効きません。狭い路地にある住宅の車庫入れや、縦列駐車では相当に苦労することでしょう。

15インチ仕様をインチアップして16インチ化したい

新型アクアの16インチ仕様ツーリングパッケージはコンパクトカーの小回り性能(取り回し性能)を失っていると前項で述べました。
これがどんな意味を持っているかというと、15インチ仕様のアクアのユーザーがツーリングパッケージと同じスペック&サイズのタイヤ&ホイールを装着するとタイヤが車体に干渉すると言うことです。つまり、アクアの15インチタイヤ仕様のユーザーは安易なインチアップは出来ないと言うことです。本当にそうでしょうか?

新型アクアの15インチ/16インチの純正タイヤ+ホイールスペックを確認しましょう。15インチタイヤ+スチール&アルミホイールは、175/65R15タイヤ(ブリヂストン・エコピアが主流)+15×5Jスチール&アルミホイール、PCD100mmでインセット+39mmの4穴です。

ツーリングパッケージの16インチ仕様は、95/50R16タイヤ(ヨコハマdB)+16×6J専用アルミホイール、PCD100mmでインセット+51mmの4穴ですここで、注目すべきは16インチ仕様のインセットです。

15インチに比べて12mmも内側に入っていますね。これは、トヨタのフェンダークリアランスの社内基準をクリアするためで、このために最低回転半径が犠牲になっているのです。どんなクルマでもタイヤはフェンダーの内側に収まらなくてはならず、その上でタイヤチェーンの装着が可能なボディ外側(フェンダーとの)クリアランスが要求されます。その寸法は15mm以上です。

ということは、アクア15インチ仕様に16インチのオフセット+40mm程度のホイールを選べば、限りなく「ツライチ」のインチアップが出来そうですね。

このあたりは、ノウハウを蓄積したタイヤショップに相談するのがベストです。
ひとつの提案ですが、装着するタイヤを185/55R16サイズとすることです。ツーリングパッケージ(195/50R16)よりも10mm細くて、ややハイトが高い16インチタイヤを採用することです。これで、外径はほぼ一致するはずで、装着ホイールのリム幅は5.5J(ツーリングパッケージは6J)とやや狭くして、オフセットは40mmを探しましょう。

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